落ちて逝くもの

落ちる

落ちる

●落ちて逝くもの

俺は家に着くと、服を着替えながらPCとTV等(計12)の電源を入れ、ゆらりと椅子に座ろうとしていた。椅子に腰をつけようとする瞬間、机の上に置いてあったデジカメのIXY DIGITAL 500が繋がれたUSBケーブルに手が触れてしまった。USBケーブルが引っ張られ繋がれたデジカメは宙を舞った。さぞかし心地よい空中散歩だったに違いない。そしてこの刹那の間、この言葉が頭を過った。

新月面が描く放物線は栄光への架け橋だ!

よーしいけぇぇぇぇー。金メダルだぁぁぁあ
無常にもゴツリという鈍い音とともにデジカメはフローリングの床に転がった。アテネオリンピックの体操の富田の鉄棒のような着地はできなかったのである。その光景を見て俺をふと我に返った。そして直ぐにこの言葉が浮かんできた。

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現実を確認しようと、デジカメを手に取る。一見損傷部分が無いように思え、嬉嬉として微笑んだ。しかし、シャッター部分を見ると・・・ボタンが無い。そうシャッターのボタンが吹っ飛んだのである。カメラにとって最も重要なボタンであることは間違いない。このボタンの欠如はデジカメを只の鉄屑にしてしまった。そして直ぐにこの記号が浮かんできた。

○| ̄|_

そして直ぐに捜索に入る。デジカメ着地点からは、そう遠くに飛んでいないはずだ。着地点を調べてみると、一つのバネが見つかった。恐らくこれがシャッターのボタンを押しては戻し押しては戻ししていたようである。しかしそのバネは不均等に伸び切っていた。それを指で元の形状に戻そうとする。が、指を離すとリング状の鉄はまた不均等の形状へと戻ってしまう。不覚にも、さすが形状記憶しているな、と関心させられてしまった。戻らないことを知った時、この記号が浮かんできた。

_| ̄|○

そして直ぐにボタンの捜索に入る。付近を探すこと5分程度。発見できなかった。次の瞬間こんなAAが浮かんできた。

(‘A`)マンドクセ



絶対に見つからないことを自覚した。代用できるものは無いか探し始めた。デジカメを見るとボタン部分に丸い小さな穴が開いていた。この穴に入ればシャッターを押すことが可能だろうという推測をし細いものを探し始めた。試しに割りばしを入れようとしてみる。だが周りの鉄に妨げられ入らなかった。次にシャーペンの芯を入れてみた。挿入することは可能だったが、細すぎて力を加えると折れてしまった。次に割りばしの入っていた袋を見ると、爪楊枝が一つ入っていた。徐に爪楊枝を取り先を上にして入れてみた。サイズが丁度合い、材質もしっかりして汎用性も高いはずだ。そして押してみた。痛い・・・・。
先が尖っていてこれでは指に突き刺さってしまう。写真を撮るたびに指が持たない。これは拷問にはいいかもしれないが、まさか傷つけられることが好きなM男でもさらさら無いのだ。まして俺はドSだからだ。そして爪楊枝を途中で折る結論に達したわけだ。その折った断面を下にし、再挿入する。これでシャッター部分のボタンが完成したわけである。

今では以前のようにデジカメが機能している。素晴らしく心地よい。

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